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近代的なものを疑え!!


数日前にこもブログでも紹介した二本の映画。

ありあまるごちそう」と「フードインク

を見てきた。それぞれ、最終的なテーマの焦点は
一方が食料分配の不平等でありもう一方が食の工業化、古き良き農業の崩壊を、
どちらも企業の利潤最大化が引き起こす弊害として描き出していく。
ただし、じゃあ企業を批判していればいい問題ではなく、
食料に限らず世界のいろんなところで自由主義、自由競争経済
それに無批判である私たちへのメッセージも随所に込められている。

少し前の、やはりドキュメンタリー映画だった
いのちの食べかた
という映画も、セリフ一切なしで食の工業化に疑問を投げかけ、
私たちのモラル崩壊を告発する興味深い映画だったけれど、
どのドキュメンタリー作品も見ていて思うのがそのインパクトのなさ。
起承転結や緩急といったものがつけづらいためか、
エンターテインメントとしてレベルが低い点は否めない。

そういう意味でマイケルムーアは問題提起をきっちりしながらも
スキャンダラスにコミカルにシニカルにと、
テーマにさして興味を持っていない人のことも振り向かせていたことを考えると、
そういうふうに関心が薄い人たちのハートをもつかみ、
見る人みんなを満足させるような映画を作ることが果たしてできるかどうか、
というのがこのての映画の一番の課題であるように思う。
問題についてある程度分かっている、意識している人ばかりが見るのも悪いとは言わないけれど、
やっぱり新規参入してくる人がどれだけいるか、
世の中全体に占める理解率を上げる努力が必要になるなぁと思う。
だからもっとユーモアを持ってスキャンダルを暴いていっていいと思う。
ちょっとお上品すぎる映画だということがちょっともったいない。


私個人的には、「ありあまるごちそう」のテーマを理解する人が増えてくるとうれしい。
いろいろな現実が描かれていたけれど、農業製品や水産資源に金融商品としての価値が与えられていることに対する漁師の危機感が、
派手ではなかったけれど描かれていてよかった。
ただ食の工業化と叫んで工場を映しているだけでは分からないことってあるから。
日本もコメが投機対象になるという法案が通っているけれど、
インサイドジョブ」で言っていたように、金融やってる人と政府とかがぐるになって自分たちの金もうけだけ考えて、
貴重な一次産業を食い物にしている現実は、複雑だし一般の人にとっては地味なことだけれど、
無関係ではないことだから、これについても知っておかなきゃいけない。

それから、大豆を作っているブラジルの農家が飢餓で死んでいるというシーンは衝撃だったと思う。
ブラジルで大豆を作っているのに、彼らはそれを食べることができない。
北米などに輸出して、家畜のえさになる。
そしてその北米やヨーロッパではトウモロコシを栽培して燃料にしている。
映画ではスイスが挙げられていたけれども、日本でも食料の廃棄量はものすごい
パンを捨てるならまだかわいいほうで、牛肉などを処分する時には罪が大きい。
つまり、穀物を牛や豚のえさにしているわけだけれど(フードインクで言っていた通り、本来不自然)、
牛肉1キロを生産するために必要な穀物は7キロ、豚肉1キロを生産するためには4キロの穀物が必要
(『現代の食とアグリビジネス』有斐閣選書、大塚茂・松原豊彦編)
本来なら私たちが食べたり捨てたりしている食料を少し減らし、
その分を飢えているところに移転すれば飢餓はある程減るはず。
ブラジルの大豆農家のインタビューを聞けば、多分それもある程度現実味を持って考えれるんじゃないかな。

だから、動物に変な病気が流行ったからって簡単に殺処分にするのはものすごく身勝手だと思うし、
稲藁で牛を養っている日本の牛肉、農家にはすごく好感が持てた。
風評被害で半値の半値になっても売れないとテレビで言っていたけれど、
こんなにもったいないことはない!!みんな、国産牛を買って食べよう!!!


ありあまるごちそうもフードインクも、アメリカやヨーロッパで作られている映画だけれど、
食の工業化や飢餓を後押しする過剰な生産体制は間違いなく、
日本も他人事ではないはず。
こういう映画が日本人の手で撮られないことが残念だなぁと思う。
やっぱり面白いドキュメンタリーはアメリカだけだろうか??
オーガニックフードが流行ったり、地産地消というキーワードを耳にすることもあると思うけれど、
はっきり言って市場経済に人間のモラルは勝てない。と私は思う。
しかし例えばこの映画で告発されたようなことについて
「現状でいいじゃないか」と思う人は多くないはず。

今、日本は同じような構造で、しかしもっとリアルに、大きな衝撃で
この市場対モラルの決戦を迎えている。原発問題。

今までは多くの国民が原発について多くを知ろうとはせず、
語ろうともせず、何となくだらだらとしているうちに54基もできていて、
その根本的な問題に今になってやっと向かい合う、という状況になっている。
ただ今回の事故を見て流されるように「原発が悪い、今すぐ止めろ」というのは簡単。
だけど、今一瞬の感情でこれからの未来のことを単純に決めちゃいけない。
原発自身の問題についてもそうだし、原発以外にも
同じように判断をこれから迫られることがたくさんある。
原発問題をきっかけに、近代文明(核など)と近代システム(自由市場)が
果たしてシンプルに人類に幸を与えてくれるものなのか、
人間は全てを近代的なものにゆだねていいものなのか。

一歩進むための議論をここでしなければいけないのでは、と思う。
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