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安定した日常を崩す日



ジブリアニメの新作『コクリコ坂』のリリースにあたって、宮崎駿のインタビューをテレビで見た。
この人のインタビューを見るといつも思うんだけれど、
この人はただ現代社会を分析するだけではなく、
そういうことをする中で彼自身や彼らの世代がどういう振舞いをし、
下の世代にどういう影響を与えてきたかということを
常に考えているという事実に驚かされる。

そういう反省をする人というのは、自分が引退した後になって
自分たちが社会の中でどういう役割を果たしたかということを
考えるケースが多いと思うけれど、
宮崎駿のようにその影響(功罪)を分析しながら、
それを修正するように自身の活動を続けていくというのは普通、
できないんじゃないかな。
その冷静さ、客観さというのは本当にすごい。

特に特に自分(たち)が生産してきたアニメのポジティブ面ではなく
マイナスの影響(ある種の外部不経済?)を常に意識し、
それをまた自らの創作活動で修正しようという根性は真似できない。
いや将来、真似してみようと思う。
自分が作り出すもののプラス面を誇らしげに発表してみせる人は少なくない。
それが普通だ。
自分が作り出したもの(で、社会的、経済的に一定の成功をおさめたもの)について、普通の商売をやっていたら、こうできるものだろうか?どうだろうか。


宮崎駿はインタビューの中で、戦後日本を描いた理由について
「今の子供たちは時代が変化するということを知らない。
戦争も知らないし、この日常が何時までも続いて行くと信じている」
という主旨のことを語っていた。
映像を一度見ただけなので、正確には覚えていないけれど、おおよそそういうことを言っていたと思う。

そう語るのを聞いて私はドキッとした。
その捉え方はものすごく正しいと思ったからだ。
私の実感として、そう感じているところがある。
歴史を紐解けば古代から世界中で戦争をやっていて、
もちろん日本も例外でなく、アメリカと大きな戦争をやって負けて、
どん底の状態から高度経済成長を経て今の時代に至ったことはなんとなく知っている。
今でも世界中で戦争をやっていることも知っている。
中国が攻めてくるリスクとかも、テレビでよく言っている。
だけど、そういう事柄の全てが悉く、自分とは関係のないものだとも感じている。

ずっとこのまま日本にいたら、そういうこととは無縁に過ごせるかもしれない。
江戸時代から続く身分制度が今でもあると言ったところで、
それを自分の経験としては実感することも少なくなってきているし、
自分を含めて歴史や世界を感じることのできない想像力の乏しい若い世代は増えていると思う。


ちょうど、アメリカが第一次世界大戦を経験し、
若い兵士たちが傷ついて帰国したときに戦争を知っている世代と知らない世代が生まれ、
ロス・ジェネ世代が生まれたことで歴史が初めてできたと言われるのと
真反対の現象が日本で起きているんではないだろうか。

別に、戦争をしなくちゃいけないと言いたいわけではなく。
時代が変わっていることや、そのダイナミズム、
安定した日常と不安定な非日常の繰り返しで本来、
歴史やそれを紡ぐ人間に重厚さがはぐくまれるということを、
今の子供たちにちゃんと教えていかなければ、
歴史や文化はただの統計と文字の山になって埋もれて行ってしまうんじゃないかな、と思う。
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