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氷河とハリボテ


太陽が昇り始めた頃あいに、東に向かってバイクを走らせる。オレンジ色にそまり、清んだ冷たい空気が吹き下ろしてくる。砂漠の師走、変化の無い天気だと思っていたらここ2,3日に突然強く風が吹き始め、全く雨が降らない乾期の空を灰色に染めた。今日はうすら寒い。そういう空気の中を運転するのが、嫌いじゃない。いつかブラウン管で見た氷河を、空一面に浮かべたように見える景色がそこにあった。

IMG_4940.jpg


そしてブルキナの主都で迎えた、ブルキナでの正月一日。みんなで初日の出を見に出かけたが、この朝も冷たい風が遠慮することを知らぬように吹き、私たちの体を震わせた。が、その風が雲を流していくことはない。むしろこちらに氷河を運んでくるかのようだ。東の地平線の上には薄い雲が一面に広がり、日の出の時間になっても太陽は顔を出すこともなく、氷河のような雲が少しずつ表情を変えながら、朝焼けに染められていった。初日の出を拝むことなく、私たちはその場を去った。


最近、主都を歩くのも任地を歩くのにも慣れてきた。そうしたときに、主都の片隅を車のウィンドウ越しに眺めて感じる、
「この街並みはハリボテだ。」

郊外を走っているとポツリポツリと、ブルキナとは思えない家が何軒か見える。らしくなく、塗りたてのベージュのペンキが朝もやの中に映えていた。そして家の壁にへばりつくように並ぶエアコンがまぶしい。
私は日本から来た。だから、そういう家のほうを「居心地がいい…」と感じるだろうし、好きだと思う。土を塗ったくって作った隙間だらけの壁、窓に網戸がなく虫が入り放題…そういう家が過ごしづらいとか思うことはしょっちゅうだ。贅沢を知っているから、できることならとそっちのほうに流れて行きたくなる。
しかしブルキナの大地と思って眺めている分に、主都ではあんなきれいな家がどんどんできているということは、地方との格差というのか温度差というのか、そういうものを象徴しているかのように目に主張してくる。



「本当のブルキナべは村に居る。」

なんて話を時々する。今までは、特に深く考えずに言っていた。が、最近はこのひと言のへヴィさをお腹に感じることが多い。村の、水も電気もない状況をまったく無視したように進む、住宅開発。そして高級官僚や各国大使館が立ち並ぶ区画。そこで生活するブルキナべたちが果たして本物かどうか、ちゃんと話したこともない人たちだから、言い訳しているようだけれど、私には言いきることができない。私はこれから、村の人たちともっともっと多く関わっていくことになる。
さて、主都に立ち並ぶ摩天楼、高級住宅に、ブルキナファソとしては中身が詰まっているか?そんなことを考えてみる。私は、ブルキナの生活に行き詰ったとき、どうしても先進国の生活が恋しくなった時、そういう場所に構えているカフェに行くことを楽しみにしていたりする。その空間は字面通り、「ブルキナの中のヨーロッパあるいはアメリカ」だったりする。そのちぐはぐさ、かみ合わなさを感じるようになった。まだうまく、言葉にはできないけれど。ただ、同じ土地に居ながら共存してないなと感じさせられることに、息が詰まりそうになる。


不思議な気持ちになってくるけれど、もっともっと短い距離と時間で劇的に景色が変わる日本を見ていてこんなふうに感じることに、自分で少し疑問符をつけたい。が、それはまた別の話だったりする。
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